訪問、琉李子さん家

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本気で怒らせてしまったようだ。澪は猛獣のように俺を睨みつけている。 よく考えてみれば俺は澪を喜ばせるようなことをしたか? 楽しませるようなことをしたか? 澪が俺に見せる表情はいつも不満そうなもの。そうだよ、俺はダメな奴だ。 「どうした? また澪子が何かを?」 琉李子さんが心配そうな表情でリビングに戻ってきた。澪の声も大きかったし。 「琉李子さん、俺お先に失礼することにします」 「どうしたんだ、急に?」 「そうだよ裕君、もうちょっといようよ」 琉李子さんの後ろから杏里さんが顔を出した。 「すみません、ちょっと用事を思い出しちゃって。母さんがかなりうるさいんです。それでは」 俺は立ち上がって玄関へ向かった。これ以上この場にいるわけにはいかない。 すると俺は何者かに服を掴まれた。
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