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あれは六年前。私が十ニ歳で澪が八歳の時だ。
『澪子、お友達が来てるよぉ』
『……居留守』
外から友達が澪子を呼んでいた。澪に知らせたけどこの通り一言で終わった。
その歳から居留守を使うなんて澪はどれだけ進歩していたのだろう。深く感心していた。
『澪子、お友達』
『……』
不機嫌そうに絵本を一ページめくる。私の言葉は耳に届いていないみたいだ。
仕方ないから私は澪子の友達に断りを入れておいた。友達は残念そうに帰っていった。
澪子はいつもこうだ。休みの日はすっかり家の中に引きこもり、平日は颯爽と帰宅している。
友達がいるんだろうか?
『澪子、私と遊ぶ?』
『……いい』
あっさり断られた。いつものことだけど少しショックだった。
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