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私は冷凍庫を開けて中を捜索した。すると上手い具合いに市販のソフトクリームが二本あった。
その二本を持って部屋に戻った。
『澪子、アイスだよ』
『アイスっ!』
澪子は目を輝かせて私に近付いてきた。
『はい。一本あげる』
『ありがとうー』
澪子はソフトクリームを受け取ると満面の笑みを作って舐め始めた。
ここまで一緒に過ごしていると澪子の好みなど全て分かってくる。
澪子は季節によって好みを変える。夏は冷たくてひんやりとしたもの、冬は暖かくてぬくぬくしたもの。
これは人間の本質かもしれないけど澪子は極端だった。普段見せない笑顔を平気で見せるから。
『美味しいよ、お姉ちゃん』
『ならよかった』
澪子が笑顔を見せる時は本当に幸せそうな時だけ。
それでも澪子の笑顔が見れることがとても嬉しかった。
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