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『お姉は待ってて』
図書館に入るとすぐにどこかへ駆け出した。図書館の中は走ってはいけません、と注意があるのに。
クーラーの気持ち良さを存分に味わいながら私は近くにあった椅子に腰掛けた。
数多くの本が存在している。私は本が嫌いだ。
逆に澪子は本が大好き。ここの図書館の常連客らしい。自称だけど。
どうして本が好きかね? 私には理解し難いよ。
『お姉、もういいぞ』
背後から肩を叩かれた。澪子は三冊の本を両手でしっかりと抱いていた。
『澪子、本っておもしろい?』
『うん、おもしろい。お姉も見るといいよ』
『わ、私は遠慮しとく』
澪子はクスッと微笑んで出入口へ向かった。私は慌てて澪子に着いていく。
自動式のドアが開くと私達は驚きの声をあげた。
『雨、だね』
『そうだな』
空から滴が絶え間なく降り注いでいた。
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