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澪子はかなり接近したりしてリョウ君を困らせている。
なんだろう? このイライラ感。何かが込み上げてくるこの感じ。
『澪子ちゃん、ひとつ教えてあげる』
優しい言葉をリョウ君は口にした。
『相合い傘って知ってるよね?』
『うん、今してる』
『この相合い傘なんだけどね、本当は好きな人とするものなんだ。男の子と女の子が平気でやるものじゃない。お母さんが言ってた』
多分このことは澪子は知ってる。澪子は大好きな人にしか心を開かない。
澪子が笑うということはすでにリョウ君に対して心を開いているということ。それはリョウ君が大好きということに繋がる。
リョウ君、気付いてないのかな? 鈍感?
『それに、傘にはもっと特別なことがあるんだ』
『特別?』
澪子は首を傾げた。それは私も同じだった。
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