想い人、琉李子と澪子と

21/34
前へ
/526ページ
次へ
『傘は雨から僕達を守ってくれるでしょ? だから雨を敵と想定すれば傘は僕達の守り神ってわけだよ』 『まもりがみぃ?』 よく意味が分からない。要するに雨は悪者というわけなのかな。 澪子も頭をがしがしかいている。この子も頭悪かったっけ。 『だから、どんなつらいことがあっても傘に頼めばいつでも助けてくれる。神様だからね』 リョウ君は私よりひとつ上。傘が神様なんて考えたこともない。 これをどこから聞いたのか分かるわけないけどリョウ君がどこか大人びて見えた。 『……傘好き、私が持つ』 『いいって。澪子ちゃん』 『持たせなさい』 傘の柄を掴み満足そうな笑みを溢した。わがままは変わってないけどいっか。 『痛っ』 さっきからリョウ君の頭に傘ががつがつ当たってるけど大丈夫かな?
/526ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21717人が本棚に入れています
本棚に追加