想い人、琉李子と澪子と

22/34
前へ
/526ページ
次へ
私達三人はこの夏休み、とても充実した日々を過ごした。かけがえのないものとなった。 しかしその楽しい日々も終わりを告げる。さらにその終わりは悲しいものになる。 それは夏休みが終了に近付いていく時だった。 『こんにちは、琉李子ちゃん』 『リョウ君!』 私はぱたぱたと玄関へ向かう。この日もリョウ君はいつもと変わらない笑顔でやってきた。 『あれ、澪子ちゃんは?』 『澪子は少し用事があってお出掛けしてるの』 多分靴を確認して判断したんだと思う。澪子の靴が今はないから。 『それじゃ先にお邪魔させてもらっておくよ』 『うん、どうぞどうぞ』 リョウ君は改まって家に入った。私はこの時は案内係だ。 それにしても澪子遅いな。
/526ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21717人が本棚に入れています
本棚に追加