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『うーん、リョウ君遅いねぇ』
『やっぱり、どこかに行っちゃったのかな……』
先ほどまでの勢いが無くなり意気消沈してしまっている。
『違うよ。リョウ君はきっとどこかで寄り道しているだけだよ』
私は澪子に謝罪の意味をこめて自分のアイスを渡した。そのアイスはあっという間に無くなってしまったんだけど。
私は何気なく外を見た。するとかなりの人だかりが出来ていた。
有名人か誰かが来たのかな? でもこんな所に来るなんて聞いたこともないし、ましてやこんな田舎っぺに来るはずもないだろう。
『澪子、あれなんだろうね』
澪子も外を見て少し驚く。私達は揃って首を傾げた。
あれは一体……
不思議そうに考えていると、部屋にお母さんが入ってきた。
その表情は険しいもので汗も垂れ流し、急いでいるように見えた。
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