想い人、琉李子と澪子と

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『おにぃちゃん、おにぃちゃん……』 小さな澪子でも交通事故くらいは知ってるだろう。さらに人がいなくなってしまう悲しみ。 『私のせいだ。私のせいでおにぃちゃんが……』 『澪子、リョウ君は大丈夫だから』 私がたとえどんな言葉をかけても澪子には通じなかったようだ。 『おにぃちゃん、うぅ……』 『お母さん、リョウ君の病院先、分かるよね?』 『うん、分かるけど』 今の状態からして澪子はリョウ君に会わせるべきだ。それしか道はない。 『澪子、行こう。リョウ君に会いに。そして目いっぱい謝るんだよ』 『うぅ、ぅあぁぁぁぁ!』 澪子の泣き声が響いた。私はあの時の澪子を忘れることは出来なかった。 その日から澪子の笑顔はすっかり消えてしまった。澪子のことだから嫌じゃなかったけど何かが足りない生活だった。
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