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「琉李子さん、アイスありますか?」
「アイス?」
琉李子さんは不思議そうに俺を見た。
「はい。今回澪を怒らせてしまったのは俺です。俺も俺なりに仲直りしてみようと思います」
大好物で機嫌を取る。せこい感じもするけど俺にはこれしか手はない。
「やっぱり、少年はリョウ君によく似ている」
琉李子さんの目は真っ直ぐ俺の目を捉える。
「雰囲気、って言うのかな? 妙に優しすぎる所とか。初めて会った時の懐かしい感じはこれだったか」
優しすぎる。これは褒め言葉なのかどうか。
「澪子も多分同じことを思っているだろう。だから澪はすぐに少年と仲良くなった。本来あの子から話しかけるなんて滅多にないんだよ?」
懐かしい、か。リョウさんに一度会ってみたい気持ちがしないでもない。
「さあ、澪子の所に行こうか」
琉李子さんは体を翻して歩き出した。俺はその後をついていく。
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