憂鬱、ちっちゃな少年

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徐々に意識が戻ってきた。真っ暗で何も存在しない世界から舞い戻ってきたような感覚だ。 そうだ、俺は何故か急に体が熱くなって。それから全く覚えていない。 目をゆっくりと開くと目を開いた。目に入ったのは不思議そうに俺を覗き込む杏里さんと澪、そして嬉しさを堪えてるように見える琉李子さんだった。 「裕君……」 一番心配そうにしているのは杏里さんだ。顔が目と鼻の先にある。 「杏里さん、俺は……」 おかしい。俺に何か異変が起きている。声がいつもより高い気がする。 俺は体を起こしてみた。手をのばしてみると着ていたのは半袖のはずなのにだぼだぼでわずかしか手が出ていない。 ズボンも同様にぶかぶかだ。 「裕君……かっわいいっ!」 俺に頬擦りをしてくる杏里さん。別に迷惑とは思っていない、むしろ嬉しい 一体何が起こっているんだ?
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