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身動きが取れないまま俺が連れて来られた所は澪の過去を聞いたベランダ。
「さて、全てを話そう、チビっこよ」
「琉李子さん、は、恥ずかしいんですけど……」
こんな屈辱的なことはされたことがない。おそらく俺の顔は真っ赤だろう。
「仕方ない。降ろしてあげよう」
俺は固いコンクリートの上に立った。景色が全く違う。高くそびえる柵で空が見えない。
「少年、自分がどんな状況か分かってるかな?」
言われなくても実感している。急に服が大きくなってしまい声も高くなる。俺の体は縮んでいる。
タイムスリップで過去に来たのか。あり得ない。杏里さん達はいつも通りだ。変わったのは俺だけ。
まるで幼少時代に戻ったようだ。某名探偵アニメの主人公は薬のせいで体が縮んでいたが俺はどうなんだ? 俺はコ○ン君じゃない。
笑顔で俺を見下ろす琉李子さん。太陽の光が後ろにあってとても綺麗に見えた。
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