憂鬱、ちっちゃな少年

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「昔、お母さんに聞いた話でね。先祖代々伝わる秘密の薬がこの家にあったらしいんだ」 嬉しそうに話す琉李子さんに俺は少々困る。 「その薬には特別な効果があるらしい。興味を持った私は家中を探索した」 「そして見つけたわけですね」 琉李子さんは一回頷く。 「しばらく標的を考えてたわけ。杏里や澪子だともしもの時にどうしようもないでしょ?」 「行き着いた先は俺というわけですか」 もしも俺に何かがあったらどう処理するつもりだったんだろう。 「元に戻す方法は?」 「今の所ない。しばらくそのままでいてもらう」 琉李子さんは再び俺を抱えた。 「だってこの方がかわいいんだもん」 小さくなった俺はかなり好かれているようだ。決して悪い気はしない。 戻る方法がないと言われた以上どうすることも出来ないな。
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