憂鬱、ちっちゃな少年

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琉李子さんの家を後にして俺は外に出た。全体的に視界が低い位置になり景色が全く違う。まるで別の世界にやってきたみたいだ。 今は夏休みだ。学校に行かなくても済むし大事には至らない。でも俺には悩みがある。 「よいしょっと」 「うわわっ、あ、杏里さん!?」 ひとつめは声の高さ。確か俺の声変わりは中学の頃だったかな? この年になってガキのような声になるとショックだ。 さらに女の人にひょいひょいと持ち上げられる。これは未だ嘗てない屈辱だ。 女の人を持ち上げるのは俺の仕事だろ、と心の中でふと思う。 「だって裕君、一人で自転車乗れないでしょ? だから僕が乗せてあげるの」 杏里さんは俺をサドルの後ろに座らせた。確かにこの体では運転も出来ない。 女の人に頼ってしまうとは。なんて情けない男なんだろう。
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