憂鬱、ちっちゃな少年

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「離せっ、このっ!」 「じたばたしても無駄なのだよ」 現在紫音に捕まったまま部屋に連行されている。悪く言えば拉致だ。 「あ、杏里、ちゃん、助けてくださ……じゃなかった。助けて」 「べー。こっちの方が面白いもん」 杏里さんは俺の女神様だと思っていたが。俺は考えが浅かったようだ。 「夢がたくさんだよ。あたしのちっちゃい時の服を着せちゃおっかなぁ?」 「やめろ、離せ。俺は着せ変え人形ではない」 「それもいいね。裕君ならスカートでも似合いそう」 「なぬっ!?」 怪しく微笑む紫音と杏里さん。体中に寒気が襲ってきた。 「さあ行こう。裕ちゃんには明るい未来が待っている」 「今の裕君は怖いものなしだね」 「いっ、嫌だあぁぁぁぁあ!」 俺のお先は真っ暗だ。
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