願い、おにいちゃん

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「なんだ、何か変か?」 「まさか澪がぬいぐるみ好きだったとは意外だった。澪ならぬいぐるみを日頃の鬱憤晴らしに使うと思ったから」 「かなり失礼だぞ、お前」 「……すまん」 この規則的に並べられたぬいぐるみ達。全員澪の弟や妹のようだ。いつでも歓迎している。 澪の帰りを待つちっちゃな弟や妹。そう考えればぬいぐるみのかわいさも見えてくる。 「おしおきだ」 「へっ? 何を……へぶっ!」 俺の体は何かに当たって吹っ飛ばされた。見ればそこには唯一の特大なクマのぬいぐるみが存在した。 「澪っ、やっぱお前」 「まだ口応えする気か?」 「……すみません」 澪から発せられた邪悪な気の前に俺は成す術が無かった。やはり俺は澪に勝てないのか。 しかし投げられたぬいぐるみと目線が一致するなんて。 体が小さいとはここまで悲しいものだとはな。
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