願い、おにいちゃん

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「澪、俺をここに連れてきた意味を三十字以内で説明してくれないか?」 「なんとなく」 ……うん、確かに三十字以内だけどさ。 「冗談だ。用も無いのにわざわざ私の部屋にお前を呼ぶわけないだろ?」 「して、その用事とは?」 「少し私に付き合ってもらう」 澪はいつもと変わらない表情で強い調子で言い放った。 「俺に何かひどいことを?」 「私が悪者みたいじゃないか。単に出掛けたいだけだ」 手を後ろで組み、ちょっとそっぽを向きながら続ける。 「お前が小さくなったのは残念だけど……じゃなかった。お前にはどうしても着いてきてもらいたいんだ」 「そのために俺をここに?」 「そうだ。お姉には聞かれたくなかった。秘密にしたかったんだ」 俺に対して鬼畜っぷりを発揮する澪がこうも小さく見えるのは信じがたい。 目の前の少女に新鮮さを感じた。
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