願い、おにいちゃん

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翌日... 「遅いっ!」 「ごめんなさい」 真夏は過ぎたのだろうか、微妙に涼しく感じてきた今日この頃。夏にしては冷涼だ。 俺は堂々と遅刻した。 「普通は男が先に到着して『俺も来たばっかだから問題ねぇよ』くらい言うんじゃないのか?」 こいつ、男を勘違いしてないか? 漫画の見すぎじゃないだろうか。 実は遅れた原因は杏里さんに有り。バレないように出発したつもりがあっさり見付かってしまった。 あれからされたことを思い出すと……寒気が止まらないぜ。 夏なのにえらく寒かった瞬間だった。 「澪、俺は時間を必ず守る奴だ。それでも遅れてしまった。何故か。それなりの理由があるからなのだよ」 「さて、出発しよう」 「ちょっ」 澪は俺を無視して歩き出す。俺はその小さな背中を追い掛ける。 今日もいい天気だ。
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