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「澪、猫を見たいんじゃなかったのか?」
そう。ここに来た理由は澪が猫を見たいと言ったからなのだ。しかし今は別のものに没頭している。
「み、見ろよ。かわいいぞ」
自我を忘れたのかうっとりした表情のまま俺を催促する。指差された方向を見ると小さな動物がヒマワリの種を食べたりちょこまかと動き回ったりしていた。
ハムスターだ。俺もかつて友達の家で見たことがある。確かにかわいい。
もっともそのかわいいハムスターに噛まれたという苦い思い出しか残っていないがな。
澪はなおも向こうにいるハムスターを見続ける。模様も様々でなかなか楽しめる。
澪は動物が好きなのだろうか。でなきゃここまで嬉しそうな顔はしないだろう。
後でどれが好きか聞いてみよう。参考なまでにな。
しばし澪を見てて微量の笑みを溢した俺だった。
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