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「うぅ……」
「腹痛いならトイレ案内するぞ?」
変な優しさはこりごりだ。チクショウ、生姜焼き食べたかった。
目の前に並んでいるのは明らかに小さい子どもが食べる料理。全てがミニマム。
旗付きオムライスは定番で小さなウインナーやら高校生の俺からしてみれば悲しくなる一品。
こんなんで腹が満たされるか心配である。
「そんでお前はカレーか」
「いっただきまーす」
聞いちゃいねぇし。ただのカレーが恋しくなってきおったわ。
満面の笑みでカレーを頬張る澪。はっはーん、実に美味そうだ。
そういえばいつぞや澪とカレー大食い対決たるものをやったっけ。カレーに対する胃袋は半端なかった。
「澪、ちょっとカレー分けてくれ」
「嫌だね」
返答早すぎやしないかい?
「頼む、女神様」
「嫌」
完全に拒絶するかのようにカレーに集中し出した。仕方なく俺はスプーンを巧みに使用してオムライスを一口含む。
少しだけしょっぱい味がした。
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