21717人が本棚に入れています
本棚に追加
/526ページ
お子様ランチなど一瞬で無くなってしまう。この量は俺にとって虚しかった。
昼食を食べ終えた俺は未だカレーを頬張る澪の様子を見ていた。うん、実に平和だ。
カレー食べたかったなぁ。
「な、なんだよ。私をジロジロと」
ここで澪も気付いたようだ。俺の眼力を甘く見てもらっては困る。
今はそんなこと言ってる場合じゃないわけで。
「ほれ」
俺の前にカレー付きスプーンが現れた。
「いいのか?」
「いいからこうしてるんだ。早く食べろ、今回だけだからな」
そっぽを向きながら恥ずかしげに話す澪が少し面白かった。あまり見たことのない姿だった。
澪の好意なのかどうか分からない。しかし俺はこれを受け取ることにしよう。
俺はカレーを一口もらった。澪の顔が爆発的に赤く炎上したのは触れないでおく。
久々に暖かいものを食べたみたいだ。
最初のコメントを投稿しよう!