願い、おにいちゃん

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先ほど引っ掛かっていた(興味を持ったというべきか)ことを聞くのを忘れていた。 「澪、お前動物好きなのか?」 カレーを食べ終えた後のスプーンを皿の上に優しく置いて顔を上げた。 「ああ、少なくともお前よりかはな」 まったく、失礼な所は相変わらずだ。これに慣れてしまった俺もどうかと思う。 「なら飼っちゃえばいいじゃん。近くにいた方がもっと楽しめるだろ」 「私もよく考えてるよ。でも、無理なものは無理なんだ」 澪は切なそうな顔をする。何か特別な思いがあるのではないだろうか。 「その、アレだ。お姉が動物嫌いなんだよ」 ……ん? 「琉李子さんが?」 「そうだ。小学校辺りの頃、私の友達が子犬を連れてきてくれたんだ。その時なぜかお姉は恥ずかしいくらい泣き出したわけだ」 ちょっぴりシリアスな展開になると思っていたがユニークなお話となった。 それにしても琉李子さんが動物嫌いなんてねぇ。想像もつかないんだが。 「そこで私は決意したんだ。私が一人暮らしとなったら絶対に猫を飼うと」 えらく小さな決意だ。
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