願い、おにいちゃん

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あの後澪と談話を時間を忘れて楽しんだ。 初めは俺に対してかなりひどかった澪が今では俺と仲良くしてくれる。これほど嬉しいことはない。 主に動物で盛り上がったんだが。ちなみに俺は猫より犬派だ。 「結構時間経ったな。そろそろ行くか」 俺達は立ち上がり会計を済ませるためにレジへ。 「あ、金は俺が払ってやるから」 そう言うと澪が肩を掴んできた。 「待て、私が払う」 かなり強い調子で言った。あまりに力強すぎて肩が痛いんですけど。 「よく考えろ、世の中にはレディーファーストという絶対的な言葉があるんだ」 「それでも小さなお前に払わせるわけにも……」 顔を赤らめもじもじする。その姿が微笑ましかった。 「その気持ちは有難い、もらっとく。それでも俺に払わせてくれよ。俺だって一応男だからさ」 満面の笑みを作って言い放った。これで澪も遠慮してくれればいいんだけど。 かっこつけすぎたかな? 「そ、そその体で言われてもかっこよくないからなっ!」 そうなりますよね、フフフ。
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