願い、おにいちゃん

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当たり前のように俺が会計を済ませておいた。澪は顔を赤く染め腕を組みながら待っていた。 普通考えて小学の低学年のガキが金を払うということは有り得ないわけで、 「あら、あなたちっちゃいのに気が利く子なのね」 と優しい声でそう言われた。綺麗な大人のお姉さんでした。 改めて自分の体が小さいことの嫌悪を感じた。恥ずかしいし屈辱的だし、込み上げてくるもやもや感。 反発したかったけど無駄だからやめておいた。 「お待たせさん」 「う、うむ。ご苦労だったな」 あなたどこの武将ですか。 「これからどうする? 時間はまだあるけど」 「私だって行きたいとこあるんだ。まだまだ付き合ってもらう」 澪は胸を張って言った。無いものを強調しても……おっと失敬。 今日は澪に付き合ってやると決めたんだから逆らうこともないし。気の向くままだ。 俺達はファミレスから出ようとした。しかし出れなかった。 空から落ちる無数の滴、雨が降っていたからだ。
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