風物詩、夏祭り

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――と考えてしまう俺はただの変態である。正直このままってのも考えたりする。 学校に行かなくて済むし、杏里さんや琉李子さんに構ってもらえる。 いや、でも棚の上の菓子が取れないのは少し痛い。プラスして色々な人にナメられるのは困る。 はぁ、どっちなんだよ俺は。 「そういえば明日の夜ってお祭りだよね」 杏里さんは笑顔のまま言った。なんか、いい匂いです。 「そうでしたっけ?」 「裕君忘れちゃったの? 去年だって一緒に行ったくせにぃ」 不満そうな杏里さんに機嫌を直そうなんて気は起きない。この表情もなかなかであるからだ。 確かに言われれば行ったような……。それでも昨年の記憶が戻ってこない。 「あはは、ごめんなさい。ちゃんと覚えてますよ」 「だよねぇ。裕君がかき氷を落としたのを思い出したら笑っちゃうね」 俺ってそんなことしたんだ。かき氷に申し訳ないことをしたな。
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