風物詩、夏祭り

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この状況、俺は一体どうすればいいのだろうか。俺が平常を保つのもこれまでか? 「んもー! 裕君って大胆なんだからぁ」 「いひゃっ!」 その至近距離で、杏里さんは俺の頬を引っ張り始めた。 「うふふ、エッチな裕君にはこうしてあげるんだから」 「おへがはひひはんへふかー!?」 引っ張る。なおも引っ張る。俺の頬はおもちじゃないんですぜ。 というか俺、何もしてなくね? 杏里さんの勘違いなんじゃないかな?。 今はそれより杏里さんの手を退ける方が先なのだが、 「ほれほれ」 「むっ、ぐー!」 力の加減によって変化する俺の頬。面白いくらいに遊ばれている。 手を離そうにも離せない。決して杏里さんの力が強いわけではないのだが。 まぁ笑顔で楽しそうなんで別に悪く思いはしてない。しかし痛い痛い。 こうして遊ばれること数分が経過した。
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