風物詩、夏祭り

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「いや、待てよ。城石裕大はオイラより背が高かったはず」 一気に肩の荷が降りた。まだバレてなかったみたいだ。 「それに城石裕大はオイラのライバルだ。こんなに小さいわけないし」 待て待て。いつからお前は俺のライバルになったんだ。 「分かったぞ。お前――」 朔真はすうっと息を吸い込む。 「城石裕大の子供だろ」 ……はぁ? 「そうかそうか。雰囲気が似てるかと思えばそういうことだったんだな」 「ちゃうわ、このアホ」 もう少しマシな答えがくると思ってた。従兄弟とか弟とか。どっちにしろ満足はいかないが。 それにこのアホ男、頭の上にハテナを浮かべている。 「ち、違うのか?」 「違うわ、このバカ野郎」 こいつを放っておくと面倒になりそうだ。本当のことを話しても問題ないんじゃないだろうか。 バカだし。
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