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「朔真、落ち着いて聞け。俺は」
「城石裕大の分身か」
「だから聞けって」
こいつ、すでに分かっているんじゃないだろうか? 俺をからかっているような気がする。
ケラケラ笑いながら俺と対峙する。なんだ、こいつ。
「率直に言う。俺は城石裕大本人だ」
「……なんだってー!?」
頭を抱え驚愕の表情を見せる。そして地に両膝をついた。
「これが……これがオイラのライバルなんて……」
ライバルの件は置いておく。いい加減このアホさには慣れた。
朔真の目からは滝のような涙がダバダバと流れる。水溜まりが出来てしまうほどだ。
……なんだ、こいつ。
「朔真、お前バカだろ?」
「ぬおー!」
まだ泣いている。そんなに俺が小さくなってショックか。
嬉しいと思っていいのか悪いと思うべきなのか。
朔真をなだめるまでかなり時間がかかった。
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