風物詩、夏祭り

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――という冗談もほどほどにして、と。朔真は琉李子さんにこれでもかというくらいいじられている。 哀れだ、俺を恨むなよ…… 俺は未だ杏里さんに抱きつかれているため身動きが取れない。 それに冷静に考えてみればこの状況は非常に恥ずかしい。そこらの人達もこっちを見てるし。 だが、琉李子さんが登場しただけであの男達があっさりと退散した。 確かにあの時の琉李子さんは俺から見てもとても怖かった。初めて見た表情だったし何か秘密があるのかもしれない。 「お姉はあれでも優しい奴なんだよ」 「へぇ、琉李子さんが……ってうぉい!」 気配を消していたのか、俺の気付かぬ内に細目で琉李子さんと朔真のやりとりを見る澪が横にいた。 「澪も祭りに?」 「そうだ。お、お兄に会いに来たわけじゃないからなっ」 お兄ねぇ。悪い気はしないから良しとするかね。 まっ、澪も琉李子さんと同様に祭りを楽しみに来たんだろう。
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