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「うぅ……」
「杏里さん?」
「裕君きゃっわいいっ!」
いつぞやの悪夢再来。俺は再び杏里さんの腕に包まれた。
女性特有のいい匂い、肌に感じる柔らかな感覚。このままでは酔ってしまいそうだ。
自然と顔が赤くなるのがよく分かる。
「それでは出発しましょう」
若干不機嫌気味の澪が催促する。
「澪、本当に俺に金を」
「うるさい、拒否権はない」
うっはー、俺に自由はないんですか。
俺は両脇を抱えられて持ち上げられている。いわゆるだっこの強化バージョンだ。
背中に柔らかなものが常に当たっており、もう爆発しそうです……
「お姉、お姉も行くよ」
「あー、はいはい。朔真、シャキッとしないと置いてくからね」
「お任せください、琉李子さん」
意味も分からず敬礼をする朔真。本当に意味が分からない。
俺達は五人という大人数(そうでもないかも)で回ることになった。
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