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『お前さぁ、あんまり関わらない方がいいぜ』
厚い雲も正午になると徐々に薄くなり、所々光がさすようになった
『なにが?』
『木場だよ』
アキオとクラは、中庭のベンチで育ち盛りの旺盛な食欲を満たしていた
『おい、聞いてんのかよ』
クラの声が少し尖った
『聞いてるよ』
アキオはのんびりサンドイッチを口に運ぶ
『うめぇ』
『それ、夢ちゃんが作ってくれたやつ?』
『うん、俺、母ちゃんいないしね』
『俺はいても作ってくんないぜ?』
『夢は優しいんだ』
『だから、夢ちゃんを悲しませんな』
『悲しませてねぇよ』
『木場だよ』
『またかよ』
『正義感もいいが、毎回首突っ込むな』
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