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見ると、川岸に木場郁子が膝を抱えて座ってい、その傍らに、まだ十歳程の少年も腰を下ろしていた
うつむいた木場郁子を少年は横から見つめていた
ゆるりとした川の流れを、夕陽が染め、肩を寄せ合う二つの影は、微笑ましくみえた
しかし、少年の表情は、少年らしからぬ冷たさがあり、時折、木場郁子の体が
ビクリビクリと震える
『あれー?弟かな?…おーい!木場ぁ!』
『ばっ…アキオ!ほっとけよ!』
アキオがクラの静止も聞かず、大声で手を振った
すると、少年がチラリと振り返り、木場郁子がまるでいなかったかのように、スィと立ち上がり離れた
アキオの眉間に皺が寄った
『なんかおかしくね?』
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