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『木場っ!』
アキオがおどけて隣に飛びながら座ると、木場郁子はびくっと後退りした
『さっきの弟?』
アキオが明るい笑顔で問い掛けると、一瞬、警戒の色がとけ、しかしすぐに困惑の表情を浮かべ
『さっきって…誰の事?』
と、言った
『え?さっきって、今、木場の横にいた男の子だけど』
それを聞いた木場郁子は、また警戒の色を強め、さらに泣きそうな顔をした
『池君まで私をいじめるの?朝のは何の罠?!私は一人でいたし、弟なんていないっ!』
アキオは木場郁子の剣幕に少し仰け反った
『ちょっちょっ!罠なんてかけてねぇよ!』
『池君だって他の人と一緒でしょ!もうやめてよ!やめて!やめ…』
木場郁子は泣き出した
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