七人ミサキ

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  『お前、遅ぇしっ!』 『悪い悪い。思いがけず長くなった』   アキオのアパートの前で足踏みしてイライラしているクラに、柔らかく笑いかけながら、アキオはドアノブに鍵を差した   『木場が、横にいた男の子を知らねぇって言っててよー』   『は?木場は一人だったじゃんよ』   アキオはドアノブに手をかけたまま、動きを止めた   『木場は一人だった?』   クラはアキオの様子に少し驚きながらも   『あぁ。川っぷちにしゃがんでる木場にお前が駈けてったけど、一人で座ってたぜ?』    アキオはドアノブに手をかけたまま、微動だにせず、扉を見つめていた     ― 木場もクラも、   あの男の子を見てない…―   『おい、早く中にいれろよ。夢ちゃんほっといてお前何してたんだよ』   苛立たしげにクラは足踏みした       
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