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ミチオは驚いた。なぜなら少女が立っている棚に並ぶ本は難解なものが多く、明らかに中高生向きの本ではなかったからだ。
少女は棚に手を伸ばすと一冊の本を手に取った。オレンジ色の表紙の本だ。
(若林大二著、『人類の証明』だ……)
ミチオと少女の距離は三メートル以上離れていたが、ミチオは表紙の色を見れば大抵何の本かすぐわかる。
それにしても…こんなに若い子が若林に興味を持つとは……。
若林大二の『人類の証明』は、人類の進化の過程から今後人類がどのような未来を辿るかを論じた本だ。名著だがかなり読みにくい。
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