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「よう。みっちー!」
「マッマサル…」
まさかこいつが記念すべきお客様第一号になるとは……。とたんにミチオの表情が曇る。
「本当に本屋なんか出したんだな。バカじゃねぇの?こんな田舎に本屋出したって潰れるに決まってるだろ」
「う…」
一瞬でミチオの本屋開店の喜びを消し去った来店者の名は須郷マサル。ミチオとは小学校以来の幼なじみである。幼少期から須郷マサルは何かとミチオを目の敵にしていた。会うのは高校以来だから15年ぶりくらいか。
「マサル。おまえずっと地元にいたんだな。仕事は何してるんだ?」
「あ?んなことミッチーに関係ないだろ。」
須郷マサルはミチオを鋭い目で睨む。
(うぅ……恐い……。せっかくの初陣の日が台無しじゃないか!!……まぁマサルがこんなにひねくれてしまったのは私のせいかもしれないが……。)
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