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ミチオが地元に本屋を開いてから一週間が経とうとしていた。
本屋の存在は次第に周知され、少しずつであるが客足も増え始めた頃だ。
今日は平日という事もあって昼どきになると客の数が減る。最後の客が店を出ていったのを確認し、ミチオはレジ前にある特等席に腰掛け本を開いた。
ミチオはこの午後の時間が好きだ。ほんのりと香る本の匂いの中で、誰にも邪魔されずにお気に入りの本を読む。
(なんて最高な人生だ)
ミチオが本屋になったのは、本屋が本に囲まれながら気ままに本を読めるという夢のような職業だったからでもある。
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