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カオルはエジーディオとニコを見やって、ため息をつく。
「だから私はスーツを着て来いっていったのに」
エジーディオとニコは、己の身体を見下ろした。
エジーディオはどこぞの暴走族かと思われるような、革の上下にタンクトップ。
ニコは、ちょっとそこまで日用品を買いに出た時のような、のびたトレーナーにジーパン。
「俺がスーツ着たとき、てめぇが『どこのマフィアですか』とか言ったんだろうが!」
責めるような視線を向けるカオルに、顔を真っ赤にしたエジーディオは反論した。
「そうだそうだー。エジーが顔悪いのはエジーのせいじゃないぞー」
間延びした声でニコがエジーを応援する。しかし途中の一言は絶対聞き捨てならない。
「ちょっと待てニコ! 俺の顔は『悪い』んじゃなくて『怖い』んだ!」
「エジー、それ、自分で言ってて悲しくなりませんか」
「……ちょっとな」
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