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カオルが、きらびやかさとグロテスクさが融合した演戯をしている頃、エジーディオとニコはホテルの裏手に回っていた。
ホテルの周囲には、手入れをされた木が隙間なく植えられている。宿泊者のプライバシーを守るためだ。しかし、今は泥棒の姿を隠すのに調度いい物陰になってくれていた。
途中までエジーディオに引っ張られてきたニコは、流石に観念して自分の足で歩くようになっていた。常にやる気のないニコだが、ちゃんと歩く時は物音をたてない。まるで猫のようだ。それはエジーディオも同じだった。
もともと柔らかな芝生が敷き詰められた地面は、足音がしづらい。
ひっそりと、二人はホテルの裏口に近づいていった。
ネオンで華々しく彩られた表と比べれば、まるで別世界のように、ホテルの裏は闇がはびこっていた。隙間なく植えられた植木のせいもあるだろう。だが、最も大きな理由は、使用する人種の違いだとエジーディオは思う。
裏口を使うのは、湯水のように金を使う紳士や淑女ではない。彼らに馬車馬のように働かされる、使用人達だ。
生ゴミが捨ててあるのだろうか。
裏口に近づくにつれ、空気に異臭が交じってきた。
幸い、エジーディオとニコは、誰にも顔を合わせることなく、裏口にたどり着いた。
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