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対向車線の車が、ヘッドライトで車内を一瞬明るく照らす。
助手席と後部座席に乗った、彼の相棒達の顔を、エジーディオはバックミラー越しにちらりと見た。
助手席に座って、雑誌をめくっているのは、カオル・ハルバート。二十五歳だ。祖父が極東の出身だという、クォーターの彼は、白磁の頬にかかったくすんだ麦色の髪を、右手で耳にかけた。
異国の血が混ざっているからかどうかは不明だが、中性的な美しい顔立ちをしている。荒々しい容姿のエジーディオの傍らにいるからこそ、彼の繊細な美貌は際立って見えた。
落ち着いた茶の三つ揃えに、右目に鎖のついた片眼鏡を身につけている。
ふとした動作の一瞬一瞬まで優雅な彼は、エジーディオとはまるで好対照の存在だ。
後部座席で、死んだ犬のように寝そべっているのは、ニコ・ルツィエ。正確な年は本人でさえ知らないが、十八ほどだろうと思う。
顔の半分を、ダークグレイの髪が覆っている。今は見ることができないが、その前髪の下に隠された目は、隈が浮いてなんだか生気がないことを、エジーディオは知っていた。
がたいのいいエジーディオや、すらりと背の高いカオルに挟まれると、子供のように見えるほど背が低い。ただでさえ高くはないのに、彼は極度の猫背なのだ。
伸びきったトレーナーと、色あせたジーンズを着ている。
怠け者の彼は、仕事先に向かう今も、惰眠をむさぼっている最中だった。
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