Act.1 三人の泥棒

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  *    ホテル・ラウンドイットの正面玄関は、古代の神殿を模した造りになっていた。白亜の柱が、幅の広い階段の上で、切妻形の屋根を支えている。屋根には長方形の看板が渡され、ホテル・ラウンドイットの名前が浮き彫りになっていた。  玄関の前には広い前庭がある。整備された植え込みに、囲まれるようにして、七色の色を放つ噴水が飛沫をあげていた。  夜の闇の中で、ライトアップされた白い建物は、別世界の空気を醸し出している。  豪華にして絢爛。絢爛にして優雅。  内部に、広いコンサートホールや、賭博場といった娯楽施設を兼ね揃えた、巨大なホテルは、今日もウェノビアの有閑上流階級人たちを、その白い天国への入り口に誘い込んでいた。  
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