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「ところで、君、変わった格好だね。この辺の子じゃなさそうだね」
門番様は、少し考え、
「あぁ!分かった。東の方いたなぁそういう格好した人達のコロニーがあったなぁ。えーと、なんていったっけ…ムリエ…ムリエカだ。」
いつの間にか水樹は、ムリエカから来たことになっていた。
(ムリエカって何処?
門番様、一人で喋りすぎ。
恐れ多くて口を挟めないし…)
事の成り行きについていけず沈黙している水樹の様子を見ながら
「うん?そういえばムリエカは、先の大戦で廃墟になったはずじゃ…」
首を傾げながらぶつぶつと呟いていたが、意を決したように、ヨシッと声に出して水樹の手を取った彼は、
「何処にも行くところが無いんだろう?狭いけど、僕の所へおいでよ」
と、どんどん林の中へ進んで行く。
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