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少し躊躇したように
「タツキっていうんだ。ここは、妹のミナと二人だけだから遠慮しないで、大丈夫だよ。」
タツキと名乗った彼は、どうやら死神や地獄の番人の類いではないらしい。
しかも、自分を保護してくれるつもりのようだ。
水樹は、あらためて、タツキの方を見つめる。
サラサラの髪は、短く切り揃えられ、整った眉の下には、優しいが強い意志を秘めた瞳。
背は、高い方だろう158cmの水樹の頭が丁度胸の辺りにある。
「そんなに見つめらると、照れちゃうな。ミナ、水樹ちゃんに夕食勧めてよ。」
本当に照れた様子のタツキ。
「ハイハイ分かりました。水樹ちゃん早く食べて、冷めちゃうわよ。」
安堵した水樹は、はじめて空腹に気が付いた。
目の前には、ミナが、用意してくれたパンとスープと野菜の煮込みがある。
おずおずと
「あの、それじゃあ、これ頂いてもいいんですか?」
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