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辺りは、夕闇に沈もうとしていた。
「やあ、目が覚めたかい?」
突然、声をかけられ驚く水樹にその人は、人懐っこい笑顔を見せた。
「ごっごめんなさい、許してください地獄の門番様。大した事は、思い出せ無いんだけど、私が、悪かったんです」
その人は、今にも泣き出しそうな水樹をみて困惑の表情を浮かべている。
「どうしたのかな?君、名前は?」
思わぬ優しげな問いかけに少し落ち着きを取り戻した水樹は、震える唇で答える。
「私、河北水樹です。父は、河北達彦。
母は、河北和代といいます。
アッアア、門番様は、何もかもお見通しですよね。
自己紹介とか要らないでしょうけど…
私、どうなっちゃうんでしょうか?」
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