同棲

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リビングをのぞくと知らない男の人がパソコンを操作していた。 私に気づくと手招きしてそばに呼んだ。 そばまで行くと総一郎さんがソファーで寝ていた。 「君が毬亜ちゃんか。はじめまして、秋山です。コイツの友達でコイツの秘書。」 コイツと言って総一郎さんを見た。 「コイツ、毬亜ちゃんのこと相当気に入ってるみたいだな。毬亜ちゃんがコイツのとこに来た日、コイツ浮かれまくってたから。」 と秋山さんは笑った。 「君が体調悪そうだって会社でも君のことばかり。昨日も毬亜が倒れたってすごい泣きそうな声で電話してきたんだ。」 『すいません…。』 謝ると秋山さんは少し困った顔をして私の頭を撫でた。 「責めてるわけじゃないよ。今日も毬亜を残して会社なんか行かないって。駄々こねたんだ。女があんまり好きじゃないのに、君は特別なんだな。」 よく分からないけど、私は大事にされてるんだ。 なんだかとても嬉しくなった。 「う……ッ。」 総一郎さんが目を覚ました。
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