ハジマリの夏

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  その後、私たちはたわいのない話しをした。 今までは気づかなかったけど、栄口クンは私の家の近所にすんでいるらしい。住所を聞くと本当に近くて。   「ご近所さんだなんて全然気づかなかった」   「そうだねぇ。オレは朝練あるから家でるの早いしね」   「なるほど…。そりゃ気づかないね」   そうだねと私たちは笑った。   「あ!ね!宿題やってる!?」   二人で笑っているとおもむろに栄口クンが尋ねてきた。思えば今はお盆。夏休みが終わるまで半月もないのだ。   「やってるけど…なんで?やってないの?」   「あ…いや、その…うん。…ってあ、全くやってないわけじゃないんだよ!?」   栄口クンは気まずそうな顔で頷いた後、あわてて首を振った。   「あ、そっか。野球部、毎日練習だもんね」   私がそう言うと、部活は理由にしたくないんだけど、帰ったらすぐ寝ちゃうんだよねと苦笑した。   しょうがないなと私は今度栄口クン家でお勉強会することとなった。
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