私の願望

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 あの時。私は感じていたんだ。あの鮮血の中で。  まるで誘うかの様に流れ込んだ、私の願望を。 「スグル……」  気が付けば私は着替えることを忘れて自分の首に手を伸ばして気管を狭めていた。  もっと、もっと、もっと、もっと、強く。息が出来なくなるまで。そのまま気を失ってしまうまで。そのまま、途切れてしまえるまで――……。     ――スグル……お願い……。
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