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世界の終わり。スグルはよく自身が書く小説の中に登場させる。それは文字通りのことであったり、精神的なものであったりと、かなりの種類の『世界の終わり』を書いている。そして、私は。
「スグル……お願い」
「わかった」
いつからか。首を絞めてもらうことが日常化していた。そう、特に夜。寝れないときは首を絞めて貰うことで、何故か寝れる。
「ん……」
ゆるゆるとした圧迫感と、気菅が少しずつ狭くなっていくあの息苦しさが、愛しい。
「……はっ……ありが、と」
スグルの手が離れると同時に気菅は解放され、酸素を肺が求める。途切れ途切れの言葉をスグルに伝える。そうすれば、触れるだけのキスが帰ってくる。
「おやすみ、ユウ」
低いスグルの声。それを聞いて私は瞼を閉じ、暗闇に沈む。そして私の髪を撫でるスグルの気配を感じながら意識を手放して眠りに落ちる。
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