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「いい事をした後は飯がうまい!」
お好み焼きを頬張りながら、瑛一はビールを飲んだ。
「つーかビール飲むなよ」
まだ高一なのに……と、呆れた様な目をして辰実が見ると、
「タツくんも飲めよ。ノンアルコールビールだけど。ビールだと思って」
おじさんは辰実にもビールを差し出した。
勢い良く机に置いたせいで、ギリギリに保っていた泡がグラスを伝って流れる。
辰実はおじさんの発言に苦笑いしたが、ノンアルコールビールを飲んでみたかったのもあり、両手に持って口を付けた。
「苦っ」
初めてのビールの苦さに、コホコホとむせる。
「タツ、ビール飲むの初めてなの?」
瑛一は既にビールを半分以上飲んでいる。
「うん」
辰実はうなづくと、大人はこれがうまいと感じるのかぁと、両手に持ったビールをしげしげと眺めた。
「タツっておもしれーな」
瑛一は、その様子を楽しげに目を細めて見る。
「え? 初めて言われたよ」
キョトンとした辰実に、
「ほんと天然だね!」
そういうと瑛一は飲みかけのビールをテーブルに置き、爆笑し始めた。
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