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ふわり。ふわりと、桜の花びらが散る四月。
舞い落ちる桜を見ながら、辰実（タツミ）はため息を吐き、青華男子専門学校の校門の前に立った。
パリッとした新しい制服は、少し袖が長い気がするが、紺のブレザーにチェックのモスグリーンのズボンはなかなか似合っていた。
現に学校に来るまで、通学途中に同い年くらいの女の子の視線を感じた。
賞賛の声は、“かっこいい”ではなくて“かわいい”だったが。
“かわいい”と言われてうれしい気もするけど、“俺は今、男なんだ！ ”と、辰実は自分に言い聞かせてみた。
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